BSE問題に対して農林水産省 牛海綿状脳症(BSE)対策本部で発表されている公式発表です。
牛海綿状脳症(BSE)は、英国で実施されたBSE感染牛の材料のマウスへの接種試験により特定危険部位(脳、脊髄、眼及び回腸遠位部)以外の部分からの感染性は認められていません。
このような試験結果から、牛肉(牛タン)や牛乳・乳製品は、OIE(国際獣疫事務局)やEU医薬品審査庁の基準でも感染性がない、すなわち、BSE感染牛のものであっても食べても大丈夫であるとされています。
どのくらいの量の異常プリオン(汚染された脳など)を摂取すると感染するのかという研究結果はありません。
実験では、同じ量の異常プリオンを摂取させても必ず発症するわけではなく、発症しないことの方が多いとされています。
異常プリオンは、ほとんど消化も分解もされないという性質があり、多くはそのまま便として排せつされるでしょうが、消化も分解もされずそのまま体に取り入れられることもあります。
また万一、四つの危険部位(脳、脊髄、回腸末端部、眼)を食品として口から入った場合でも腸管という壁(バリアー)があって、これを通過して病原性プリオンが体内に入るためには約10万倍の感染濃度が必要となると考えられておりBSEにかかる確率は極端に低くなります。このような理由からアメリカでは、牛の全頭検査に難色を示しているものと考えられます。
BSEが牛にうつる確率に比べ、人の場合には、種が異なることによる「種の壁」で感染しにくいと考えられます。
英国でこれまで18万頭以上の牛にBSEが発生している中、人におけるvCJDの発生率は500万人に1人とされています。
これに対して、日本でのBSEの発生は、英国に比べてごくわずかであること、現在、日本では全頭検査が行われていること、かつての英国と異なり脳を食べる習慣がないことを勘案すれば、日本でvCJDが発生するリスクは英国に比べて桁違いに少ないといえます。
(我が国におけるvCJDの発症の可能性について、東京大学の吉川教授は0.005~0.007人と、放送大学の近藤教授はBSE感染牛が3頭確認された段階で6,000億分の1と推計しています。)